アメリカ大使館にてB1ビザの取得。面接の質問事項や必要書類

東京のアメリカ大使館にてB1ビザの申請と面接をして来ました。ビザ取得に必要な書類や取得にかかるリードタイムやESTAとの違いについて確認したのでまとめてみました。

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B1ビザとは

B-1/B-2 ビザは、商用 (B-1) 、旅行または治療 (B-1) を目的として米国に短期入国される方を対象としています。通常、B-1 ビザは、取引先との会合、科学、教育、専門、ビジネス分野の会議への参加、財産の処理、契約交渉を目的とする渡航者を対象としています。B-2 ビザは、旅行、友人や親族の訪問、治療、同窓会や社交、奉仕活動など娯楽や休養を目的とする渡航者を対象としています。B-1 および B-2 ビザは、多くの場合 B-1/B-2 と統合され、1つのビザとして発給されます 

 http://www.ustraveldocs.com/jpより引用

 

現地法人からの源泉が発生しない活動になります。B1(商用)とB2(観光)は最終的には同じビザになります。ESTA(電子渡航認証)を使って日本などが参加しているビザ免除プログラム(VWP)でも同様の活動は出来るとされています。では何が異なるか確認したいと思います。

ESTA 

申請料金14ドル。2年間有効。複数回の渡航可能。最大滞在日数90日

B1/B2ビザ 

申請料金160ドル。10年間有効。複数回の渡航可能。最大滞在日数6ヶ月

大きな違いは有効期限と1回で滞在出来る日数の違いです。またビザ申請には必ず面接があるということです。

※2回目以降の同じビザは書類審査のみで申請出来る(同じ状況のみ)。

B1/B2ビザが必要な人

では今回ビザが必要な理由を確認しました。

該当する方

販売: 米国で催される展示会のために渡米する方で、展示ブースの設営、サンプルの陳列、契約書の署名、日本で製作・搬送される製品の受注等はB-1ビザに該当します。B-1ビザ所持者は米国で製造されたものを実際に販売したり受注することはできません。これら以外の仕事に関しては一時就労ビザ(H)が該当します。

ボランティア(奉仕活動): 米国公認の宗教団体または非営利組織によって行われるボランティアプログラムに参加するために渡米する場合、活動が無報酬、または米国内での一時滞在に必要な経費以外は米国側から給与や報酬を受けない、あるいは物品の販売、寄付の勧誘又は受領を行わない場合はB-1ビザに該当します。
ボランティアプログラムは公認の宗教または非営利団体によって運営され、貧困者または援助が必要な人あるいは宗教的または慈善活動をするために運営されていることが必要です。

予定される活動がこれらのボランティア活動に該当しない場合は交流訪問者(J-1)または一時就労(H-2B)ビザが必要です。

注: ビザを所持している方もビザ免除プログラムを利用する方も、米国でボランティア活動を行うために入国審査を受ける方は、次の条項が含まれた米国スポンサーからの手紙を提出してください。

  • 姓名、生年月日、出生地
  • 米国外居住地の住所
  • 米国での最初の目的地および住所
  • 予定期間                                               

修理技術者: 技術者が、日本の企業で販売されている商工業用機械・機器の設置、サービス、または修理等を行う目的で渡米予定で、それらが購買契約に明記されている場合は商用としてのB-1ビザが該当します。ただし、技術者はこれらのサービス提供に必要な専門知識を有し、米国を源泉とする報酬を受けることはできません。また、企業はこれらのサービス提供に対し当初の購買契約書に定められたもの以外の支払いを受けることはできません。予定される活動がこれらの内容に正確に該当しない場合は一時就労(H-2)ビザが必要です。なお、B-1ビザは建築や建設業務には該当しませんので、契約書にそうしたサービスが含まれていてもH-2ビザが必要です。

B-1ビザは上述の商工業設備および機器の設営、運営、修理のために米国人の研修を行う目的で渡米する技術者にも該当します。このような場合も報酬は日本の企業から支払われ、研修が行われることが売買契約書に明記されていなければなりません。

講演者・講師: 講演の目的で渡米し、滞在に必要な経費を除いて米国を源泉とする報酬を受けない場合はB-1ビザが該当します。講演者・講師が必要経費以外に謝礼を受領する場合、次の条件を満たせばB-1ビザが該当します。

  • 1つの団体あるいは学会での活動が9日以内であること
  • 団体・学会は、非営利研修団体、政府の研究機関、高等教育機関、非営利組織の関連機関であること
  • 講演活動はその団体または学会のために行われること
  • 講演者・講師は過去6ヶ月間にこうした5つの団体・学会から報酬や手当てを受領していないこと

予定される活動が上記に正確に該当しない場合は、交流訪問者(J-1)ビザあるいは一時就労(H1B)ビザが必要です。

会議: 科学、教育、専門、ビジネスの会議およびセミナーに出席するために渡米する場合はB-1ビザが該当します。また、滞在に必要な経費を除いて米国からいかなる報酬も受けないことを条件に、会議で発表する場合もB-1ビザが該当します。必要経費以外に謝礼を受ける場合、次の条件を満たせばB-1ビザを申請することができます。

  • 1つの団体あるいは学会での活動が9日以内であること
  • 団体・学会は、非営利または政府の研究機関、高等教育機関、非営利組織の関連機関であること
  • 活動はその団体または学会のために行われること
  • 講演者・講師は過去6ヶ月間に5つ以上の団体・学会からこのような謝礼や手当てを受領していないこと

注: 科学技術関連会議に出席するためにビザを申請する人は特別の手続きが必要です。次の追加書類を提出してください。手続きに要する時間は個々のケースにより異なりますので、パスポートが届くまで旅行の最終決定は控えてください。

  • 完全な履歴書
  • 全ての出版物のリスト(該当者のみ)
  • 学校からの許可通知または手紙                                               

研究者: 個人で研究することが目的で、米国を源泉とする報酬を受けず研究結果が米国機関の利益にならない場合はB-1ビザが該当します。米国から報酬を受ける場合や米国機関にとって研究結果が有益な場合は交流訪問者(J-1)ビザや一時就労(H-1)ビザが必要です。

投機的事業: B-1ビザは、事業可能地や賃貸物件等の調査のために渡米する方にも該当します。ただし、B-1ビザ所持者は事業運営のために米国に留まることはできませんので、その場合はL-1(企業内転勤者)ビザが必要です。L-1ビザ所持者は米国内で支店や系列事務所の開設および運営するために短期間渡米することが可能となります。L-1ビザ受給の条件を満たすためには、米国企業が従業員に代り最寄のUSCISに請願書を提出しなければなりません。

医学研修: 米国医学校管轄の病院で医師の監督・指導のもとに医学実習を行う方で、米国内の病院から報酬を受けないこと、また、その研修が個々の国の学校教育の一環として認められる場合はB-1ビザが該当します。ビザを申請する際は米医学校から発行された実習内容およびプログラムの期間、報酬源(該当する場合)を記載した手紙を申請書と共に提出してください。ビザ免除プログラムを利用して、ビザなしで渡米する場合は入国地で移民審査官に学校からの手紙を提示してください。

物理療法士、歯科医、看護師、獣医としての研修のために渡米する学生はH-3ビザが必要です。

在宅勤務: 米国外に本社を置く企業のためにコンピュータープログラマーとして在宅勤務をする目的で米国に一時的に滞在する方で、下記条件を満たす場合はB-1ビザに該当します。

 http://www.ustraveldocs.com/jpより引用

今回私は日本で製造した自動車部品工場向け設備を日本の機械商社からの依頼で現地でセットアップするエンジニアとして行きます。修理技術者の扱いになると思いますが最終的なビザの有無は現地法人の法務担当部門の判断や個人の事情(多頻度入国の方)になると思います。

今回の商流

米国日系自動車部品製造メーカー

     ↓

  米国機械商社

     ↓

日本機械商社(米国機械商社と親会社は同じ)

     ↓

    自社

というスタンスです。

他の特別な事情の方

  • 米国裁判所で証言をされる方。
  • ESTAで渡航認証が拒否になる方。
  • 日本での逮捕歴がある方、罰金刑など刑罰をされたことがある方。
  • 米国での逮捕歴がある方、飲酒運転などで罰金を払ったことがる方。
  • 以前の入国で1日でもオーバーステイになったことがある方。
  • ESTAでの多頻度入国が多いかつ滞在日数の多い方。
  • 多頻度入国予定がある方。

最後の多頻度入国が多い方は明確な条件は分かりませんが、私の周囲にいるエンジニアの方でアメリカにESTAで多頻度入国している方で、入国のイミグレーションで次回はビザの取得をするように指示されたそうです。ESTAでの入国で90日ギリギリまで滞在して、アメリカ出国。またすぐにアメリカ入国した際に言われたそうです。ESTAの場合は複数回の入国が可能ですが、ある程度の期間(6ヶ月以上)を設けたほうが良いみたいです。

必要な書類

DS-160

B1/B2ビザなどの非移民ビザは「DS-160」と呼ばれるオンライン申請書に記入が必要です。

主な記入内容

  • 名前、生年月日、出生地などの基本事項
  • 学歴
  • 今勤めている会社、以前の会社名、月収(B1のみ)
  • 直近5年以内の海外渡航歴
  • アメリカの入国履歴
  • 両親、配偶者の名前(死亡や離婚の場合も記入)
  • 第三者が作成した場合の第三者名(旅行代理店に依頼した場合)

詳しくはアメリカ大使館のオフィシャルサイトの説明動画あり

www.youtube.com

補足書類

B1ビザ申請には別途補足書類が必要です。

Purchaes Order

技術者出張の伝票。米国法人が日本の法人に対して支払いを明確にしているのが分かるもの(米国法人が直接雇用していない事が重要)。

Invitation Letter

関連企業の打合せや視察、技術指導などで訪問する場合の召喚状

推薦状

日本法人作成のビザ取得予定者の推薦状

履歴書

職務経歴書と同じです。

全て必要ではありませんがケースによって補足書類が必要になります。

B2の場合

日本国内の銀行の預金証明書

旅行目的の詳細がわかる書類

(サーフィンやボディビル大会参加資料とかアメリカ横断の行程表など)

その他書類

逮捕歴が有る方は判決謄本とその英文

写真

オンライン申請時にはデータでの提出になりますが、面接時に2インチ×2インチ(51mm×51mm)の写真が必要です。街角の証明写真機には2インチ×2インチは普通ありません。今回こちらを利用しました。

pic-chan.net

自分で自撮りした写真をコンビニプリントで印刷出来ます。各国ビザ申請の大きさに対応出来る。200円(2枚)と安い。どこでも印刷出来る。

写真は背景白地でリラックスした状態が良いとされています。また眼鏡掛けたままは2016年より禁止になりました。ご注意ください。

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良い写真例

10年以内に発行されたパスポート

私の場合は現在のパスポートの発行が2012年でしたので、1つ前のパスポートも持参しました。

大使館にて面接

ビザ取得予定者には大使館や領事館で面接が必要です。DS-160のオンライン作成後、ビザ申請料金160ドルの支払いを行い、オンラインで面接予約を行います。

面接時は

  • DS-160を印刷した書類
  • 補足書類
  • 写真
  • 10年以内に発行したパスポート
  • 面接予約確認ページ

を持参します。また面接予約時間は大使館到着時間であり10時と予約した場合は10時に大使館前にいればOKです。

大使館での注意事項

大使館内(敷地外から中も)全て撮影禁止

携帯でネットを見ることは可能(Wi-FiとBluetoothは切るように指示)

面接が終わったら待機することは出来ないので敷地外で待つ

持ち込み出来る物

大使館には持ち込み制限があります。スーツケースや大きめのバックは不可。2個以上の携帯電話の持ち込みは不可。ノートPC、タブレットは持ち込み禁止になっています。もし持ってきてしまった場合は大使館に入ることは出来ず、近くの駅のコインロッカーに置くことになります。

カバンは通常のビジネス使いのショルダーバッグやリックや女性の手提げかばん程度であれば問題ありません。私は大使館近くの赤坂駅付近のビジネスホテルに前泊していたので荷物を預かってもらいました。

面接までの流れ

大使館入口でセキュリティチェック

手荷物検査とX線検査があります。ライターは持ってきてはいけないと記載がありました。タバコを吸われる方は注意したほうがよいですね。

書類の事前チェック

提出する前に係員さんに事前チェックしてもらいます。その際に透明なクリアファイルに入れておきましょう。クリアファイルが無い場合は大使館でいただけます。

1番窓口に書類を提出

提出する書類、パスポート、写真をまとめて提出します。

指紋採取

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書類に問題ない場合。指紋採取があります。3番と4番の窓口です。指紋採取後すぐに領事との面接が始まります。心の準備をしておきましょう。 

領事と面接!

事前情報がありません。

B1ビザ面接は英語で会話なのか?何を聞かれるのかさっぱり分かりません。

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面接は個室ではありません。

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クイズは残念ながらありません。

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指紋採取したあとに5番から10番に案内されます。カウンター窓口で面接します。ビザ取得予定者は領事と立って面接します。さらに領事も立っています。

ここは私の推測ですが立ちっぱなしの仕事なのでだんだんと疲れてきて不快になってくる。問題がある申請者には突っ込まれる可能性も高くなるので早い時間の面接が良いと思われます。

質問事項

 今回私含めて3人が一緒にB1ビザ申請いたしました。会社は異なりますが私とおなじように現地で設備をセットアップするエンジニアです。3人に質問された内容をまとめてみました。また質問は3人とも日本語でした。なので英語気張る必要はありません。

イランに行ったことがあるか?

何故ESTAで行かないのですか?

米国機械商社は何の会社ですか?

あなたは米国機械商社の社員ですか?

あなたはエンジニアですか?

あなたは現地で何をしますか?

所要時間は約3分から5分ぐらい。ここで返答に戸惑ったり、回答出来ないことがないように堂々と回答するのが良いと思います。領事がこちらからは見えないパソコンモニターを見て無言の状態がたまにあるのでドキドキします。

自身の業務内容とパーチェイスオーダーを発行している会社の説明が出来れば大丈夫だと思います。またアメリカと敵対する国(イランや北朝鮮など)の渡航歴がある方は簡単にはビザ発行やESTAの許可はしてくれないようです。不用意に行かないようにしたいですね。

ビザ申請が許可の場合

「アナタノシンセイヲキョカシマスと言ってくれます。日本語で!何も貰うものはありません。パスポートは後日郵送されて返ってきます。他の人を待っていることが出来ないので(注意されるまで)速やかに出ましょう。

ビザ申請が保留の場合

 今回3人の中で1人申請が保留になりました。その場合申請を許可しない理由(保留)の内容がリストのチェックされている書類を渡されます。

主な許可しない理由は書類が不足もしくは補助書類の内容に問題があるなど。また以前にビザ申請したのに書類不足で却下されそのままESTA入国を繰り返していた場合。今回は後者です。3人とも同じ補助書類を持っていたので書類には問題ありません。彼にその後会いましたが結局60日間の保留になり、パスポートも取り上げられ出張もなくなりました。気をつけたいですね。この場合は大使館に相当付き合いのある国際弁護士事務所に依頼する以外解決方法は無いと思われます。

このあたりも動画がありますのでご参考ください。

www.youtube.com

パスポート返却

郵便局のレターパックにて発送されます。大使館から郵便局へ発送された時点で追跡番号がわかり登録したメールアドレスに追跡番号がわかるメールが届きますと説明がありますが、私の場合は近所の郵便局着になって初めてメールが届きました。ヒドイですね。全く機能しておりません。面接からは1週間でパスポートを手にすることが出来ました。

ビザが必要と言われて、ビザが付いたパスポートが帰ってくるまで約1ヶ月かかりました。これでも旅行代理店にDS-160の作成を依頼して早い方です。留学や企業内転勤の時期になるとさらに面接予約が取れないと思います。書類準備も考えると2ヶ月前から準備しておいておくのが良いと思われます。

まとめ

ビザ申請する理由は個人それぞれ違いますのであくまでも参考の1つとお考えください。必ずアメリカ大使館のサイトにてご確認ください。ビザ申請に関わる書類作成を代理するところ(旅行代理店や弁護士事務所など多数)ありますので、不安な方は依頼するのも良いと思われます。料金はB1/B2で30,000円から50,000円前後です。

 

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